大阪中之島美術館 すべて未知の世界へー GUTAI 分化と統合 2022/ 10/22〜2023/ 1/9
GUTAI (具体美術協会)を想うとき、岡本太郎を考えてしまいます。1945年終戦。(1952年まで、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領下に入ります。)わずかな休息の後、日本の現代美術は動き始めます。岡本太郎は俘虜生活を経て中国から復員。1947年36歳の時に東京世田谷区上野毛にアトリエを構え、9月には第32回二科展に《夜》《憂愁》を出品しています。
7年後の1954年に吉原治良の絶対的指導のもと GUTAI (具体美術協会)が関西に生まれました。この時吉原治良49歳。岡本太郎は既に一線で活躍しており43歳。二人はそれぞれオリジナリティーを追求し岡本は自身を先鋭化し、吉原はチームとしてのオリジナリティーを高めて行きます。ともに高度成長期を駆け抜け、国際的にも評価されていきます。大阪万博では岡本は大きな成果を残しています。 GUTAI も万国博美術展や大規模なパフォーマンスを行なっていますが、グループであること、関西が活動拠点であることなどの原因から、後世への影響力の点では、パワーや表に出るタレントが不足ししていた気がします。その後の GUTAI は1972年2月吉原治良の突然の死により同年3月に解散となります。
吉原治良は一上場会社の御曹司として生まれ、会社経営と GUTAI のマネージメントを行います。作家としても800余の絵画を創作。その多くは大阪中之島美術館が所蔵。 GUTAI が残した作品の多くは、今も新鮮で、若々しく個性的なパワーを感じます。田中敦子、白髪一雄、山崎つる子、坪内晃幸、元永定正。Forever Young!
また大阪中之島美術館と隣接する国立国際美術館との二会場、同時開催は、関西の文化ゾーン再構築の始まりです。よろしければ是非。
とても貴重な関連イベントはこちら。
(敬称略)
概要
( 大阪中之島美術館 のホームページより)
具体美術協会(具体)は、1954年、兵庫県の芦屋で結成された美術家集団です。画家の吉原治良(1905-72)を中核に据えたこの集団は、絵画をはじめとする多様な造形実践をとおして、「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示」しようとしました。吉原による指導のもと、会員たちがそれぞれの独創を模索した18年の軌跡は、いまや国内外で大きな注目を集め、戦後日本美術のひとつの原点として、なかば神話化されるに至っています。
本展覧会は、そんな具体の歩みを、「分化」と「統合」という二つの視点からとらえなおす試みです。誰の真似にも陥らず、互いに異質であろうとしながら、あくまで一個の集団としてまとまろうとするその姿勢は、吉原の考える美術のあるべき姿、つまり「人間精神と物質とが対立したまま、握手」している状態とも、重なりあうものだと言えるでしょう。
大阪中之島美術館と国立国際美術館、二会場によって構成される本展覧会は、具体の活動拠点である「グタイピナコテカ」が建設された地、大阪の中之島で開催される初の大規模な具体展です。大阪中之島美術館で具体を「分化」させ、それぞれの独創の内実に迫りつつ、国立国際美術館では具体を「統合」し、集団全体の、うねりを伴う模索の軌跡を追う。それによって目指すのは、新しい具体の姿を提示することにほかなりません。解散後50年となる2022年、「すべて未知の世界へ」と突き進んでいった彼ら/彼女らのあゆみをご覧ください。
具体を「分化」する
分化 大阪中之島美術館
具体は、常に先駆性と独創性とともに語られてきました。吉原治良の「人のまねをするな、今までにないものをつくれ」という言葉が、端的にそのことを表すものとして語り継がれていますが、その認知度とは裏腹に、具体の先駆性と独創性の内実は、明らかにされていません。
「分化」をテーマとする大阪中之島美術館では、具体の制作からいくつかの要素を抽出し、個々の制作のありようを子細に検証します。
本会場がめざすのは、具体は多様であるという結論を導き出すことではありません。多様であることは前提とし、どのような表現が受け容れられてきたのか最大限可視化することで、具体というグループの本質にせまろうという試みです。
具体を「統合」する
統合 国立国際美術館
具体は、少なくともその出発点においては、「画家」集団でした。時代が下るにつれ多様化していく造形実践の数々も、もとをたどれば、絵画という規範からの自由をめざした結果と言えます。問題は、絵画らしさをいかに解体し再構築したか、です。絵画「らしさ」をどう捉えているのか、また、それを解体してなお絵を描こうとするのか否かで、導き出される新しさはおのずと変わってくるでしょう。国立国際美術館では、マクロな視点に立って具体のあゆみを眺め、さまざまに展開される問いなおしの作業に、いくつかの傾向を見出そうと試みます。必ずしも一枚岩でないこの集団の、内なる差異をあぶりだし、そのうえで「統合」してみせることが主な目的です。
*本展は大阪中之島美術館、国立国際美術館の2会場で開催します。
それぞれの観覧料、開館時間、休館日は一部異なりますのでご注意ください。
展覧会情報
- 展覧会名
- すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合
- 会期
- 2022年10月22日(土) – 2023年1月9日(月・祝)
*月曜日(1/2、1/9を除く)、12/31、1/1 休館 - 会場
- 大阪中之島美術館 5階展示室
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-3-1 - 開館時間
- 10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
- 休館日
- 月曜日
- 観覧料
- ■一般料金
2館共通券 2500円
大阪中之島美術館 1400円(1200円)■大学生
大阪中之島美術館 1100円(900円)*2館共通券以外は、国立国際美術館の会場をご覧になる際には別途観覧料が必要です。
国立国際美術館の観覧料についてはこちら
*災害などにより臨時で休館となる場合があります。
*税込み価格。カッコ内は20名以上の団体料金。
*20名以上の団体鑑賞をご希望される場合は事前に団体受付フォームにてお問い合わせください。
*学校団体の場合はご来場の4週間前までに学校団体見学のご案内からお申込みください。
*心身に障がいがある方とその付添者1名について、当館においては、当日料金の半額(要証明)。ご来館当日、2階のチケットカウンターにてお申し出ください。
*一般以外の料金でご利用される方は証明できるものを当日ご提示ください。
*本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。 - 主催
- 大阪中之島美術館、国立国際美術館、朝日新聞社、MBSテレビ
- 協賛
- 竹中工務店
- 協力
- 公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
- 助成
- 令和4年度文化庁優れた現代美術の国際発信促進事業
公益財団法人 花王 芸術・科学財団
一般財団法人 安藤忠雄文化財団 - 特別協力
- 芦屋市立美術博物館、兵庫県立美術館
- お問合わせ
- 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)