DIC川村記念美術館 カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 2024/ 3/9 〜 6/30
ミニマル・アートを代表する彫刻作品の希少な展覧会です。静けさを感じます。以前紹介した李禹煥(Lee Ufan)氏と同じ年代です。私には微妙に影響しあっているように思えます。(DIC川村記念美術館は李禹煥氏の作品も所蔵されています。)ゆったりと見ていくと、感じるところがありそうです。
概要
(DIC川村記念美術館のホームページより)
カール・アンドレ (1935–2024)は1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家です。日本の美術館において初めての個展となる本展は、同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開します。アンドレは自身の作品が、それが置かれる周りの空間に作用するものであることを「場としての彫刻」という言葉で表しています。
整然として無機質な印象とは裏腹に、実際の作品を前にすると、金属の光沢や錆、木の手ざわり、石の重みなど、物質それ自体の大らかな姿を目にすることができます。不揃いなユニットが並んでいることにも気が付くことでしょう。
また、本展では知る人ぞ知るアンドレの詩をまとまったかたちで紹介します。タイプライターで断片的な単語を打ち込んで構成されるアンドレの詩は、読むことでも眺めることでも楽しめるものです。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映されています。
彫刻と詩という離れた表現で展開する、アンドレの作品をぜひお楽しみください。
みどころ
1.作家夫妻と所属ギャラリーの全面的な協力を得て実現する、日本の美術館における初個展。〈スクエア〉や〈カ ーディナル〉をはじめとする代表的な床置きの大型彫刻13点に加え、日本では紹介されることが稀な「小さな彫刻」を8点、約70ページの詩という構成で、アンドレの制作を多角的に紹介します。
2.《メリーマウント》(1980)を含めて3点展示する床置きの木の彫刻は、現時点で国内の美術館に収蔵されていない作例です。また、特にスケールの大きな作品として、横幅15mにも及ぶ《上昇》(2011)にご注目ください。人の背丈を超えるL字の金属板が並び、壁との間にできた空間を通ることができます。
3.大型彫刻の展示のため、天井高7m、約400m²の企画展示室を仮設壁で区切らず開放的に使用します。上を歩くことができる作品も含まれた、順路のない展示を巡ってみてください。アンドレ彫刻があることで日常とは異なる重力を備えるような空間を、全身で体感できることでしょう。
4.初期の詩のアンソロジーである〈セブン・ブックス〉から厳選した約40ページを、作家本人のデザインをもとに制作した展示台で紹介。〈ユカタン〉全26ページと合わせて、タイプライターで打ち込まれるアンドレの詩の概要をお見せします。
開催概要
- 展覧会名
- カール・アンドレ 彫刻と詩、その間
- 会期
- 2024年3月9日(土)-6月30日(日)
- 会場
- DIC川村記念美術館
- 開館時間
- 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 月曜(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
- 入館料
- 一般1,800円、学生・65歳以上1,600円、高校生以下無料 障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名まで無料
- 主催
- DIC株式会社
- 協力
- ポーラ・クーパー・ギャラリー、ギャラリーヤマグチ
- 後援
- 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会